井辻ノート1

MGの三角形

「井辻ノート」なるものが存在します

昭和60年(1985年)の日付がありますから、32年前のものです
井辻さんのMG歴は35年とお聞きしているので、MGを始めた頃の講義ノートです

その中身は主に、シニアを初受講されたときの内容が書かれています

几帳面な字で丁寧に筆記されたその内容は、若き頃の井辻さんの血肉となり
このノートを見ながら、必死になって社内MGのインストラクターをされたのに相違ありません

おぉそうだったのか!と頷くような発見や内容も多々ありましたので
そのいくつかを紹介します(井辻さんからの許可済)

1.教えない・教えさせる・待つ

3番目の「紙は自分で」は、最初は「待つ」だったんです

待つことは教育の原点です
どれだけ待てるのか?
どの程度教えるのか?(本人のために)

ここはインストラクターのキモであるとともに、永遠のテーマです

2.まずはひと口食べさせる

「人間はひと口食べないと落ち着かない」とメモ書きがあります
これはお昼のスピーチタイムでの注釈です

そうか、インストは全員がひと口食べるのを見てから、最初のスピーカーを指名するのか~

3.社内には必ず2人は共産党がいる

これは二八の法則(パレートの法則)を云ったものです

MGの社内導入には必ず2割の反対者がいますから、それにどう対処すべきであるか
MG社内導入へのヒント・ポイントなどが隠されています

4.現代企業人(リコモン)の基礎知識

経理・コンピューター・仏教 の3つと書いてあります

1)MX会計・戦略会計
2)マイツール
3)原始仏教      のことでしょうか?

仏教を学ぶことは、人を知るということでしょうか

5.MGで人を見る3つの方法

1)経営力  洞察力に長ける      25点
2)計数力  テクニカルスキルに長ける  5点
3)人間力  人格・霊格  70点

MGの感想文重視はここから来ているのですね

6.第1期の材料購入は9個@13円でいっぺんに購入する

投入は8個16円、完成は8個8円です
そして販売は5個28円だった    現金残高は111円

少し経ってから、投入費も1個1円になって現金残高は119円になりました

そうすると第1期の自己資本額は?

288円となります(長年の疑問が解けた瞬間でした)

このノートには、MGの生い立ち、すなわちMGがソニーを始めとする社員教育用ツールとして誕生した
その余塵・余韻がまだ充分に残っています

地球が誕生したころのまだ地殻活動が活発であった頃のそんなイメージです
(僕のようなMGオタクには1級品の貴重な資料なのです)

読後の感想は

「MGの思想(本質)は変わらない
しかし、その思想ゆえにMGは変わる」

金儲けの手法だけに使うMGは正しくありません
人間性・人間力の向上こそが真のMGの目的であり、そのようなインストを心がけます

「不易流行」という言葉がまさにピッタリときました

西 順一郎先生、ありがとうございます
井辻栄輔さん、いつもありがとう餃子います!

〈初出日 2017.0302〉